カラクリCEOの日記

ビジネスサイドから見た最新テクノロジーについて考えていきます

CXnightに参加してきました!話したこと+αのまとめ

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CX Night

昨日、2018年8月24日、CX Nightにパネラーとして参加してきました。 

mercari.connpass.com

CX=カスタマー・エクスペリエンスを向上させるTipsを交換するような有意義なイベントです。なんと100名の枠に200名が以上の応募があり、実際も大盛況でした。

 そこで、私が登壇したセッションはエモーションテックの岸さんモデレートのもと、freeeの青山さん、Japan Taxiの藤村さん、メルカリの田面木さんと一緒に『CXにおける改善事例 Produced by Emotion Tech』ということでお話してきました。

かなり盛り上がったのですが、、、セッションの内容はSNSでの共有はなし、ということで、せっかくなので私が話したことと、話すために準備してたけど話さなかったことを付け加えてブログにまとめておきます。

※特に①、②、③あたりは立場上、そんなに深く話しなかったのでがっつり未公開トークです

※前提として、私達はカスタマーサポートのAIを提供している会社なので、あくまで弊社のお客様=弊社を利用いただいている企業様にとって、という視点でのQAです。

 

最初に結論を書くと、、、CX・カスタマーサポートとAI・機械学習は抜群に相性がいい!と信じています、ということをお伝えしたいです。

 

CX向上のために置いている指標やKPIは?

カスタマーサポートのAI活用においての大きな指標は、

  1. 顧客満足度UP
  2. 生産性向上・費用削減

の2つを設けることが多いです。

1つ目の「顧客満足度UP」については、NPS、CSATをアンケートで定期的に実施して分析するケースが多いです。これはAI活用関係なく実施されると思いますが、アンケート実施の際にもAIの施策の寄与度を図っていく必要があります。

2つ目の「生産性向上・費用削減」については、AIチャットボットの利用率、カスタマーサポート分野全体でのチャットボット比率を計測し、AIチャットボットでの解決率をしっかりと追っていきます。

また、少し細かいですが、AIチャットボットの導入においては下記のような指標をおっていく必要があります。

  • チャットボット利用者数(ずっと重要)
  • 正答率(導入後3ヶ月程度は重要)
  • カバー率(導入後3ヶ月程度は重要)
  • 解決率(ずっと重要)
  • 有人転換率(ずっと重要)
  • ボットシナリオの離脱率(4ヶ月目以降特に重要)
  • AI回答の確信度分布(4ヶ月目以降特に重要)

AI活用をまずはしっかりと「よくあるお問い合わせの自動応答」にフォーカスして、まずは24時間365日、簡易的な質問に対して回答しつつ、人へのスムーズにバトンタッチしていくかたちをしっかりと構築し、指標を追っていくのがいいと思います。


今後、弊社カラクリでは、チャットボットにおける自動応答の領域の拡大、お問い合わせ件数の予測、お問い合わせがくる要因となっているネガティブな出来事を予測して未然に防ぐことなどを目的としたAIソリューションを追加で出していきます。

CX、顧客対応とAI・機械学習の相性は抜群にいいと思っています。 

組織体制(関連部署の巻き込みや評価等)については?


AIチャットボット活用については、最低でも、カスタマーサポート部門全体を巻き込んで実施する必要があります。チャットボットの教師データ作成などを実施したり、会話データの分析などを実施するためのAIトレーナーなどの専属の方を配置するケースもあります。ただ、AIの教育などはメンバー全員と一緒にやっていくと、一体感も産まれて非常にいいと思っています。

また、チャットボットの会話データをVOCと位置づけ、他の部門(プロダクト部門、マーケ部門など)に巻き込んだ施策を実施するケースもあります。

例えば、チャットボットの回答は正解しているのに、「解決しない」というフィードバックをユーザーから受けるシーンもあります。その場合、そういったデータを武器に、プロダクト部門と一緒にサービス改善を実施してくようなケースです。

できれば、CX・カスタマーサポートの部門内に、データサイエンティストを配置したいです。CXの部門内には構造データ、非構造データ、どちらも宝庫です。

まとめると、顧客体験には顧客対応のプロダクトだけでなく、顧客対応も含まれていき、CXの部門にデータサイエンティストがいる状態が当たり前になっていくと思います。

デザイナーがアプリのデザインを凝ったり、エンジニアが表示スピードを上げてスムーズに動くようにしたりするのと同じく、顧客対応をどのように実施していくか、というのがCX向上につながる因子となると思います。

 

オンボーディングどうしているか?

「5分以内に対応すると、1日以内の100倍の効果がある」というお話が馬田大先生からありましたが、AIチャットボットをうまく使うことでそのサポートが可能です。

  • 24時間自動応答してくれるので(回答精度が高まっていれば)即時解決率が上がる
  • 会話ログが全て取得できるので、そのログから「どこに不満体験があるあるのか」を分類し、カスタマージャーに上でどこに課題があるのか仮説構築が可能
  • 弊社でも、通販会社の取り組みで、コールセンターの電話対応の応酬話法をボット化して、解約率を下げる取り組みなどにトライし始めてます

どの施策にどれだけ投資をするかなどはROI次第かとは思いますが、カスタマーさポートのワークフローの中で、AI化の可能性を現場主導で見出していくといいと思います。

 

カスタマーサポートどう活用している?〜対応ではなく、活用!ネガティブな声への対応や最近のトレンド等〜

AIチャットボットのテクノロジーの現在地は下記です。

  • よくあるお問い合わせ(FAQ)、テンプレートレベルの回答を精度高く自動応答する
  • 特定シーンに限定して、簡単な処理(状態の確認、変更、取り消しなど)を実施する

なんだ、「今までのFAQと同じじゃないか!」と思われるかもしれないですが、明確に違います。

  1. AIチャットボットはFAQよりも話しかけてもらいやすいです。FAQはユーザからスルーされるケースが多いです。
  2. 検索精度がAIチャットボットのほうが抜群にいいです。よくある今のFAQの検索精度はイメージを例えると10年前のGoogle検索以下、EXCELの [Ctrl]+「F」 レベルです。
  3. AIチャットボットは現場の運営メンバーから愛されやすいです。現場のメンバーで必死にメンテナンスしてくれます。FAQは作って放置されるケースがほとんどです。
  4. AIチャットボットの方が、回答候補の提示が少なかったり、説明文章が短かいケースが多いので、ユーザも迷いにくいです。

など、あげれがきりがないのですが、違いは多数あります。

とはいえ、AIチャットボットはFAQよりも最初は手間がかかったりもします。

  • AIの教育は今は人力で細かく対応する必要がある
  • 上記を踏まえて、全体の業務設計が重要。テクノロジーで表現可能な部分はどこからどこで、人で対応したほうがいい部分はどこか、という設計が重要

とはいえ、Karakuriとしても直近で、一次対応レベルから、徐々に二次対応の領域まで自動応答していける仕組みへ進化していきます。加えて、人の対応とAIの対応がもっとシームレスに融合していく仕組みを提供します。

今はAIはAI、人は人、という分断がまだありますが、AIが人をサポートし、人がAIをサポートしあっていく形に変わっていきます

カスタマーサポートAIの領域も、自動応答だけでなく、(繰り返しになりますが)お客さまの問題の未然防止、入信予測、お問い合わせ内容の解析・分類→ナレッジマネジメントの自動化、オペレーション支援(回答候補のレコメンド、最適な人へのアサイン振り分けなど)、電話(ボイス)対応、など広げていくつもりです。

まとめ

イベント全体の温度感として、CX・カスタマーサポートの業界を盛り上げよう!もっとイケてる職種にしよう!という熱気をすごく感じました。freeeさん、全国タクシーさんの生々しい事例も本当に勉強になりました。「私も同じことで困っている!」「同じ課題が社内にある!」と感じられた参加者の方も多いのではないかと思います。こういう事例が共有されるだけでも本当にいい場だと思います。

私達の前に東京大学の馬田さんから「逆説のカスタマーサクセス」のお話がありましたが、従来の「セールスの基本的なメソッド」や「基本的なマーケティングのメソッド」がうまくカスタマーサポートサイドに融合されてアップデートされていると感じました。用語の使い方は違っていたりしますが、ベースは同じです。

カスタマーサクセス、カスタマーサポートの職種にも、セールス経験者、マーケティング戦略経験者や、プロモーション・販促の企画経験者、などからの転職というのが増えるといいなと感じました。

そういう人たちがデータをいろいろ料理しながら、事業を推進していける世界がすぐにくると信じています。

最後に、このようなコミュニティ、イベントを運営されているメルカリさん、メルカリのメンバーの方々に大感謝です!このコミュニティが盛り上がるように弊社もしっかりサポートしていきたいと思います!